② 韓国のスマートファクトリー:人員を増やす前に生産システムを見直す | 経営者のための生産性改革

更新日:9月27日
シーズン1 · 生産性改革の出発点
著者:HOSOON CHOI

「作業者をあと2人増やせば、納期の遅れは解消できるはずだ」。それが適切な判断である場合もある。ただし、その前に、現在のチームがより多くの良品を完成できない理由を確認したい。能力が不足する工程で人が常に作業しているのか。それとも、資材、作業指示、設備の復旧、品質判定による出荷・工程移行の許可を待っているのか。
人員数は生産能力に影響する。運営の仕組みは、その能力がどう活用されるかを左右する。韓国で生産拠点の新設や拡張を計画する企業にとって、この二つを分けて考えることは、別の対策も必要な問題を採用だけで解決しようとすることを防ぐ。
生産量と労働生産性は異なる問いに答える
生産量は、どれだけ生産したかを示す。労働生産性は、その生産量と投入した労働との関係を示す。どちらか一つだけでは、投資に採算が合うかどうかは判断できない。
同じ製品を同じ品質基準で生産する、仮想の1シフトを考える。作業者1人の勤務時間は8時間とし、二つの条件で労働時間の集計範囲をそろえる。
指標 | 現在のチーム | 作業者を2人増員した後 |
作業者数 | 10人 | 12人 |
総労働時間 | 80時間 | 96時間 |
良品生産量 | 800個 | 850個 |
労働1時間当たりの良品数 | 10.00個 | 8.85個 |
生産量は6.25%増える一方、労働生産性は約11.5%低下する。
労働生産性=良品生産量÷総労働時間
追加の50個にも、例えば重要な納品約束を守るといった事業上の価値があり得る。この計算は、その価値を否定するものではない。労働投入が20%増えたのに生産量の増加がそれを下回った理由を調べ、限界利益、人件費、品質、納期、その他の関連費用を比較するための手掛かりである。
多品種生産では、単純な個数比較は誤解を招く。同じ製品構成で比較するか、文書化した標準工数を使って完成数量を標準工数に換算し、期間ごとに同じ基準と範囲を適用する。片方の条件だけ補助作業の時間を除外して、成績を良く見せてはならない。
ラインを速くする前に制約を見つける
三つの連続工程が、それぞれ1時間に60個、50個、40個の良品を処理できると仮定する。投入が十分にあり、追加の停止、損失、変動がなく、別ルートもない単純な定常状態のモデルでは、ライン全体が継続して生産できる上限は毎時40個となる。
最初の工程を70個にしても、この上限は変わらない。上流が下流の消費速度を超えて作り続ければ、保管場所や運用上の制御が制限するまで仕掛品が増える。三つ目の工程を40個から50個に改善できれば、制約が二つ目の工程に移り、新たな理論上限が毎時50個になる可能性がある。
実際のラインでは、さらに根拠を確認する必要がある。加工時間、段取り替え、故障、資材切れ、出口側の滞留、品質保留を調べる。バッファ、計画の組み方、製品構成も実際の処理量に影響する。公称サイクルタイムが最も長い工程は調査の出発点であり、それだけで診断が確定するわけではない。
見直したい五つの運営の仕組み
1. 標準作業
作業順序、必要資材、品質確認、安全な方法、例外時の対応を決める。実際に作業する人と一緒に作成し、製品の違いによって指示が変わる箇所も記録する。標準は教育と安定した実行を支えるものだ。非現実的な目標時間を守るために、確認を省かせるものであってはならない。
2. 制約工程の管理
制約工程が良品を完成できない原因を記録する。全体の処理量向上が目的なら、その工程で繰り返す損失を優先して改善する。他工程の改善にも、安全、品質、費用面の価値はあり得る。局所的な高速化がすべて工場の生産量増加につながると考えず、期待する効果を明確にする。
3. 資材補充
補充の開始条件、納入数量、容器、届け先、担当者、例外処理を定める。受け側に受入可能な場所があるかも確認する。安定した手作業の補充ルートが適している場合もある。無人搬送車(AGV)や自律走行搬送ロボット(AMR)は、作業と運行条件が適合するときに検討する選択肢だ。
4. 情報の流れ
正式な基準となる作業指示、在庫状態、品質承認の記録を特定する。それぞれを誰が更新し、変更時に誰が対応するかを決める。製造実行システム(MES)、統合基幹業務システム(ERP)、倉庫管理システム(WMS)は、責任、状態の定義、接続方法が明確になって初めて役立つ。
5. 異常への対応
設備故障、資材不足、品質保留、指示の遅れを分けて記録し、すべてを「その他」にまとめない。報告・判断の引上げ先と復旧責任者を決め、対策が再発防止につながったかを確認する。ダッシュボードは、その情報が判断を変え、適時の行動につながるときに有用となる。
例外も含めて作業を測定する
まずは五つの観察項目から始める。
製品・シフト別の良品、不良品、手直し数量。
工程別の労働時間、加工時間、待ち時間。
工程間の仕掛品数量と滞留時間。
資材不足、停止、品質保留の発生頻度と継続時間。
作業者・車両の移動回数、目的、距離、完了までの時間。
短期間の観察でも、調べるべき問いは見つかる。ただし設備能力や投資を決める前には、代表的なシフト、製品構成、繁忙時間帯、異常条件を含めて確認する必要がある。事象が続いた経過時間と、影響を受けた労働時間を区別し、同じ待ちを二重に数えない。
必要な検査、追跡可能性の確保、安全に関する活動は残す。その周辺の重複入力、避けられる探索、不要な再運搬を探す。記録上の時間が減っても、現金支出が自動的に減るわけではない。生まれた余力を実際にどう使うかを説明する必要がある。
根拠を改善判断につなげる
対策は原因に合わせる。保管場所の情報不足なら、ロケーション管理とバーコード確認が必要かもしれない。補充が遅れるなら、開始条件やルートの明確化を検討する。本当に人員が制約となっている作業には、採用、教育、配置転換が必要となる。安定した反復搬送なら、自動化の検討に進める可能性がある。
範囲を定めて変更を試し、比較可能な期間で良品生産量、労働投入、納期、品質を確認する。移行に要する時間や支援作業も含める。自動化では、歩行者と車両の交錯、積荷の安定性、停止・緊急時対応、保守のためのアクセス、手動復旧を見直す。運用前には現場条件に即したリスク評価と検証が必要であり、移動が速くなることだけでは受入基準にならない。
韓国プロジェクトの要件を関係者で共有する
海外本社、韓国の運営チーム、現地システムインテグレーターは、設備提案を求める前に一つの要件書を共有したい。
**範囲と現場データ:**対象工程の境界、製品、荷姿、需要変動、目標指標を定める。現在のレイアウト、観察したサイクルタイム、ルート、アクセス制限、運用可能時間を共有し、現場調査で追加測定する項目を明記する。
**接続と役割:**生産、保管、搬送の受渡し点、設備信号、データの管理主体、システムへのアクセスを文書化する。グローバル標準の承認、韓国現場の条件確認、例外対応、作業者教育、完成後の受入を誰が担うかを決める。使用言語と文書の版もそろえる。
**調達上の制約:**予算範囲、見積通貨、納入日程、生産停止が可能な時間帯、ユーティリティーとネットワークの準備責任、予備品、現地サービスの期待水準を開示する。輸入設備の物流とプロジェクト固有の適合性確認の担当も割り当てる。対象外の範囲と前提を記録すれば、同じ条件で提案を比較できる。
詳細設計、見積依頼書(RFQ)、投資収益性(ROI)の分析、受入試験は、この合意済み情報を土台に進める。供給者の概略提案は、不足している現場測定や未合意の運用要求の代わりにはならない。
生産を妨げる原因から始める
人や設備を増やす前に、良品の生産がどこで、なぜ制約されているかを明らかにする。そのうえで、増員、工程変更、情報改善、自動化を同じ運営目標に照らして比較する。目的は、避けられる中断を減らし、人が必要な仕事を進められるようにすることだ。
初回相談には、製品構成、シフト別の生産量と労働時間、想定する制約工程、補充方法、主な現場制約を準備するとよい。追加のエンジニアリング、供給者との調整、RFQ作成、ROI分析は、得られた情報に応じて範囲を具体化できる。
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