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ISO TANK が一つ変えるもの

  • 執筆者の写真: HOSOON CHOI
    HOSOON CHOI
  • 3 日前
  • 読了時間: 3分

韓国市場で見落とされがちな液体貨物物流の構造


発行日:2026年2月7日

執筆者:ホスン・チェ(Hosoon Choi)|物流戦略専門家、認定ロジスティクスマネージャー、通関保税倉庫スペシャリスト、PMP、MBA

「データが語るロジスティクス」——韓国の戦略的サプライチェーン最前線からの視点

画像提供:AI生成画像(OpenAI)
画像提供:AI生成画像(OpenAI)

液体貨物を扱う ISO TANK(アイソタンク)は、外観こそ一般的なコンテナと似ているものの、その本質はまったく異なる。貨物が液体になる瞬間、輸送は単なる「運ぶ作業」ではなく、**物性・規制・責任区分を前提とした“設計業務”**へと姿を変える。

特に韓国市場では、化学品・危険物・半導体素材の流通量が増え続けており、日本企業が進出・取引を行う際、ISO Tank の取り扱いでつまずくケースが少なくない。


■ 見えないリスクは「輸送中」ではなく「輸送前」に潜む


ISO Tank トラブルの多くは、走行中の事故ではなく、出荷前の設計不足が原因で発生する。

  • タンク仕様(ライニング、ガスケット、バルブ)

  • 充填・荷卸し時の責任区分

  • 洗浄(ウォッシュ)基準

  • 危険物表示・ラベル

  • インボイスや B/L 文言に潜む費用負担の差

これらが曖昧なままスタートすると、当初の運賃がどれほど低くても、最終的な物流コストは想定を大きく上回ることがある。

■ 韓国市場特有の“接岸後リスク”

日本企業にとって見落とされやすいのが、韓国の ターミナル〜工場ゲート区間 におけるリスクだ。

  • ターミナル混雑による滞留

  • 危険物取り扱い基準

  • 特殊車両の制約

  • サンプリング・検査の遅延

  • ラベル不備による留置

  • 洗浄基準の差異(韓国は国際基準+独自要件が多い)

この区間は書類だけではコントロールできず、現場運用を理解した設計が欠かせない。

■ 価格競争よりも“変動費の管理”が決定的

見積比較でまず目につくのは運賃だが、ISO Tank のコストを決めるのはむしろ次の要素である。

  • Free time(フリータイム)

  • 洗浄待ち・再洗浄費用

  • Depot(デポ)返却ルール

  • 加温・温度管理の失敗

  • サンプリング遅延によるトラック待機

韓国ではデポ混雑が慢性的で、事前調整がないと 返却遅延 → 待機費 → 超過費用 が連鎖的に発生することがある。

■ すべての液体貨物を同じ手順で扱うのは危険

韓国での液体物流は、品目・材質・危険性によって管理レベルが明確に分かれる。

  • 酸類(硫酸など)

  • アルカリ

  • 溶剤

  • オイル類

  • 食品用液体

これらを単一の手順で処理すると、事故リスクだけでなく、規制違反・コスト増加につながる。

■ 出荷前に確認したい 5 つのポイント

日本企業が韓国へ ISO Tank を出荷・輸入する際、最低限確認すべき事項は次の通りである。

  1. 貨物特性に合ったタンク仕様(ライニング・ガスケット)が文書化されているか

  2. 洗浄(ウォッシュ)基準と証明提出のタイミングが明確か

  3. 韓国側ターミナル〜工場間の運用制約を事前に確認したか

  4. 待機費・遅延費の負担主体を契約に反映したか

  5. 書類の文言が責任区分に影響していないか

この5点が整理された瞬間、ISO Tank のリスクは大幅にコントロール可能となる。

■ ISO Tank は“輸送”ではなく“構造設計”である

ISO Tank は正しく設計すれば、韓国市場で非常に安定的かつ効率的な物流ソリューションとなる。一方、設計不足のまま進めれば、工程の遅延とコスト増が重なる。

韓国市場で ISO Tank を扱う際の本質は、

タンク仕様・洗浄基準・ターミナル運用・内陸配送・書類と責任区分を、どこでつなぎ、どこで切り分けるかを構造化すること。

単なる輸送ではなく、複合的なリスクを「設計」で解決する仕事であるという点が、日本企業にとって特に重要となる。






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